精神分析のススメ

1970年代のNYCで一世を風靡したヒップな精神分析の啓蒙をめざす狂気専門家のブログです。

【胃に穴】ご出版おめでとうございます

はてなの有名人フミコさんが

書籍を発売されたそうだ

http://delete-all.hatenablog.com/entry/2019/09/06/115000

 

Amazon胃腸の医学で堂々の3位を

獲得されたらしい

 

おめでとうございます。

 

未収録エッセイを読んで

フミコさんを筆頭に

日本人男性の胃腸の不調は

失敗を赦さない「母」なるモノへの恐れ

が故なのでは…

 

と開眼したのでちょっと書いてみます。

 

フミコさんの

蛮勇を誇る御友人との思い出は

怪我を思いやり

送り届けた自分達に感謝することはおろか

理不尽に叱責する心無い母親と

コワイモノ知らずの友人への

嘲笑で締められています。

 

子供にとっては

自転車で盛大に転ぶのも

血が滲むのも

死の恐怖を喚起する

トラウマとなりえます。

 

それが

「大したことではない」

と思えるのは

「自分は大丈夫」

という実感を得られたモノだけです。

 

フミコさんのエピソードには

子供が無茶をして

失敗しても

「よくぞ生き延びた」

と誇らしく

頭をなでる「父」は

登場しません。

 

うちのバカをわざわざ送り届けてくれて

ありがとう。

もう大丈夫。

と感謝と安堵で迎える「母」も居ません。

 

蛮勇の母に

「いや、おばさん、

あなたの息子は誰が何を言っても

聞くようなヤツではありません。

やるといったら何が何でもやるヤツです。

僕たちは彼の怪我が心配で

送り届けたのに

怒られるのは心外です」*1

と毅然と臨むことは

事態を悪化させるだけだと

イタイ程承知しているフミコさんは

「トンビはトンビしか産まない」

と「道理」の通じない

友達にも彼の母親にも「失望」することで

言語化することもかなわない

やるせない「怒り」と「悲哀」を

「絶望」にすり替えます。

 

「失敗を恐れない」蛮勇族に巻き込まれて

イタイ目にあったフミコさんは

パブロフの犬のように

トラウマの軛に繋がれ

イタイ目を反復する衝動と

無力感に苛まれます。

 

フミコさんを含む

多くの日本人は

愛する子どもを喪う

不安と恐怖に駆られ

失敗を赦さず

蛮勇を誇る「子供」を「バカ」と罵る

「母」と同一化している

と私は推測します。

 

クボ君のエピソードでは

失敗に固執して成功を評価できない

自の暴力性を自戒する

フミコさんの罪悪感も伺われますが

そこには

「無能なクボ君」=愛されるクボ君

という

怒られないためのポイントを

しっかりスルーして

「自虐的に愛を求めるクボ君」の姿が

描かれています。

 

自虐のフミコさんは

失敗が許されない最大の恐怖は家庭にある

と、

この章を締めくくられております。

 

生産性を誇る

健全な自我の確立には

せいこう(成功及び性交)経験が

不可欠で御座います。

 

せいこうと別離の恐怖に慄き

胃に穴をあけてしまう

日本の企業戦士の皆様に於かれましては

仕事と家庭に

愛とヨロコビを見出すべく

精神分析を是非ともご査証頂きたい。

 

というのがワタクシの率直な感想で御座います。

 

フミコさんの書籍はこれが3冊目だそうです。

http://deleteall.hatenablog.com/entry/2019/08/30/103000

心からの祝福とさらなるご活躍をお祈り申し上げます。

 

フミコさんをネタにさせて頂いた記事

https://neofreudian.hatenablog.com/entry/2018/06/15/095348

こんなんも書いてます。

*1:コミュニケーション能力アルアルな

当地のクソガキ達は

これくらいさらっと言えるよう

「自己主張」の訓練を

生まれた時から課されています