精神分析のススメ

1970年代のNYCで一世を風靡したヒップな精神分析の啓蒙をめざす狂気専門家のブログです。

シカゴのミュージックフェスでKpopアイドル観てきた

なんのこっちゃ

と自分でも思う。

 

精神分析啓蒙するフロイディアンなくせにKpopかい。

 

とはいえ

文化や芸術、社会情勢も精神分析の対象だ。

 

音楽フェスもまた一興と思うので書いてみる。

あいかわらずとっ散らかるとは思うがお付き合い頂けたら幸いだ。

 

以前も書いたが

 

neofreudian.hatenablog.com

 

15歳の家族にはうつと不安で外出もままならない時期があった。

 

投薬でイライラは解消されたが

倦怠や無気力は払拭できず

何をするにも「めんどうくさい」

余程自分が興味を持てるモノでないと

「なにかやろう」

と行動に移せない状態が続いていた。

 

そんな中、彼女の友達が

「ロラパルーザに

ニュージーンズと

TXTと

ビバドゥービが出る!」

と連絡してきた。

 

友達は家族と同い年とは思えないほど

行動力も情報収集能力もアル。

 

その場でシカゴまでのフライトを調べ始めた。

 

「今のバイトの時給がこれだけだから

何時間働けば

8月までにチケットと飛行機代稼げる!」

と計画まで立て始めてる。

 

子供なので「ちゃんと」できるかどうかは知らんが

そのやる気は素晴らしい。

 

彼女の計画力及び行動力を見倣って欲しいものだ。

友達を連れて家族とロラに行く事を決意した。

 

フロイト教授が活躍していた頃

うつで精神科にかかれる程の財力がある

ハイソな患者には「旅行」が処方されていた。

 

退屈な日常に疲れ果て

自責と無気力に苛まれるうつ病患者が

人生に希望と喜びを見出すには旅行が効果的。

という医療業界のコンセンサスがあったってことだろう。*1

 

先人の知恵にあずかり

家族の無気力解消を期して

私もおよそ10万円をチケットに費やした。

 

そもそも

オルタナティヴロックと手作りアーツと

少林寺拳法披露する僧侶と

政治的メッセージが

売り(?)だった

アヴァンギャルドなロラに

ロラパルーザ - Wikipedia

カネ儲けKpopアイドルが出るって

なんのこっちゃだ。

 

因みにロラも2年位前までは

人出もこんなに多くなかったし

4日間で日本円にして20万円くらいの

あこぎなVIPチケットもなかったらしい。

 

運営が強欲になった

ということだろう。

 

最終日には公園の芝も踏み荒らされてドロドロになってた。

 

初日の8月3日は

早朝3時に起きて

シカゴへ発った。

 

朝9時過ぎにホテルにチェックインするも

部屋には入れない。

 

普通は部屋が空いてたら

入れてくれるのだが

前日満員御礼だったらしく

掃除が終わるのを待つしかない。

 

荷物を預けて近くの

朝ごはん屋さんで

朝昼兼用ごはんを食べて

ロラの会場である

グラント公園に向かった。

 

グーグルでは星4つの

評判の良い朝ごはん屋さんだったが

食べ物は高価いだけでイマイチだった。

 

税金、チップ込で日本円にして約1000円の

アイスコーヒーだけは「普通に」美味かった。

 

二度と行くか。

 

ってなったので

後3日は毎朝

アイスティーが普通に美味しくても1000円しない

韓国発のフランチャイズ*2

Paris Baguette

The Truth About Paris Baguette

に通った。

 

シカゴでは

お高いスペイン料理、お安いラーメンとメキシカン、などで外食した

2日目の夜ごはんの

学食(?)みたいなロケーションのハンバーガー屋さん

Burger Alley Chicago

Burger Alley Chicago | Best Burgers in Chicago

の Impossible Burger を除くと

食べ物は全て

味気ないのにやたら塩辛くて「ハズレ」だった

前半2日間がめちゃくちゃ暑くてキツかった。

 

睡眠不足の老体に鞭打って

炎天下の公園に向かう。

 

初日のニュージーンズ

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お目当てのステージで1時間程待って場所取りするが

混んでる

水筒は持ち込めるが

氷も水も入口で捨てられてしまう。

 

飲み物を買わせるための策略か

場内でめちゃくちゃ不味い水を

水筒に入れてもらえる

ぬるい。

 

大変だった。

 

フェスなんて元気で若い時にしか

行くもんじゃない。

 

家族曰く

ニュージーンズは可愛かったが

人混みでがっつり踊る女性ファンにボコボコにされたし

キモいジジイ(多分20代…)が居て臭かった。

そうだ。

 

疲れ果てたので

清掃が済んだ部屋に一旦撤退して

ホテルのレストランの

高価いだけで

あまり美味しくないパエリアを食べて

夜、ビリー・アイリッシュを見に行く。

 

neofreudian.hatenablog.com

 

友達はビリー・アイリッシュ

ケンドリック・ラマーも

レッド・ホット・チリ・ペッパーズも観る気満々だったが

家族はお目当て以外は観る気なしなしだった。

 

文句たらたら云われながら

又暑い中

ビリーを観るために1時間程待機。

 

家族的には

全く期待してなかったけど凄く良かった。

らしい。

 

私的には

ヨガさながらにみんなで呼吸を合わせたり

観客ジャンプさせたり

歌わせたり

環境問題に触れたり

まだ若いのに

観衆との交流がとても上手だと思った。

のと

お兄ちゃんのフィリアスが

大好きなんだなと伝わってくる絡みに

うるっときた。

 

翌日も暑い。

午過ぎからビバドゥービの場所取り。

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小さなステージで昨日ほどの人出はない。

 

近くで同じく場所取りしてる

多分家族と同年代女児と

おじいちゃんが気になった。

 

2人の間に会話が全くない。

 

せっかく特別観覧席に入れる

20万円のVIP腕輪なのに

ビバドゥービのステージは小さくて

VIPエリアがない

ので

私達庶民と一緒に暑い中場所取りしてる…

 

コアなファンが

早くから場所取りしてて

前2列くらい

ビバドゥービ以外はどーでもいい感が

にじみ出てたのが

他の演者には

ちょっと可愛そうでもあった。

 

ちゃんと盛り上げてる

ファンも沢山いたけど。

 

かぶりつきでお目当てのアーティストをみて

興奮した家族は

友達ときゃっきゃしていたが

VIPな2人は何の会話もないまま

スタスタと去って行った。

 

あんなに頑張って

2人で日本円にして40万円以上払って

おそらくは炎天下4時間以上

孫(?)に付き合った

裕福なおじいちゃんの悲哀を感じた。

険悪なムードではなかったので

彼らにとってはそれが

「心地よい」距離感なのかもしれない。

 

暑くて疲れたので

ホテルに戻り美味しいハンバーガー食べて

ケンドリック・ラマーを観に行く。

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かなり頑張って

会場目の前のホテルをとって本当に良かった…

 

家族は相変わらず行きたくない

とゴネてる。

友達はみんなに動画頼まれてるから

と行く気満々だ。

 

始まる前から家族は不安で仕方ない。

 

学校で嫌いなタイプの男児だらけでコワイ

心臓バクバクする

気持ち悪い

 

と言い出したので

ホテルに連れて帰る。

 

やたらテンション高い

(何かイケナイお薬やってそうな)

青少年だらけで

オトナの私ですら

確かにちょっと不安になる。

 

友達は一人で大丈夫と云うが

心配なので家族をホテルに置いて

私だけ又会場に戻る。

 

ラマーは

最後の45分くらいを観ただけだが

大きなステージで

前衛的なバックダンサーを従えた

黒人差別への抗議みたいなメッセージ性のある

パフォーマンスもあって

それを

い か に も

何も考えてなさそうな

白い男児達がノリノリで観てるのが

流石は能天気なアメリカン

とはいえ

ちょっと不思議だった。

 

ラマーは遅刻したらしく

終演も15分くらいオーバーしていた。

友達曰く

ロラでは演者が遅刻すると毎1分100万円くらいの罰金がつく

らしい。

たしかに他の演者は

イカゲンなメリケンには珍しい

感激するほど

きっちり時間通りに始めて終わらせてた。

 

流石は大御所ラマー

カネ汚い運営なんてクソ喰らえ

って態度が豪気だな

と思った。

 

この日は帰り道でゲロ吐いてる子供が

一番多い夜だった。

 

友達一人でホテルに帰らせないでよかった。

 

翌日は雨。

 

うだるような暑さの前日とは

うって変わって肌寒いくらいだ。

 

傘持ち込み禁止なので

ホテルでカッパを買う。

 

家族が一番楽しみにしていたTXTの場所取りで一日がつぶれる。

 

ハズだったが

 

お向かいのステージからリンダリンダが聞こえてきて

なっっつかしーっってなったので

家族と友達を放置して

ウロウロすることにした。

 

音楽フェスはお目当ての場所取りするよりも

適当に

ゆるーくいろんなトコロを観てまわるのが

私は愉しい。

 

西海岸の少女バンドのリンダリンダの名前は

きいたことがあったけど

音楽をちゃんと聴いたことはなかった。

rockinon.com

 

日本でも

10歳くらいから音楽活動するアイドルも居るだろうが

オトナがプロデュースするとはいえ

子供がこういう自己表現できるのは

アメリカンだよなー

と思った。

 

雨が激しくなってきたので

雨宿りもかねて

お子様立ち入り禁止の飲酒エリアで

フェスボッタクリ価格の

ぬるいビールと塩辛いタコスを食べて

コロラドから子供連れできてる

保護者と仲良くなって

「子どもたちだけ勝手にさせても大丈夫。

ヤツラはむしろその方が愉しい。」

とお墨付きをもらう。

 

一応家族に

「何か食べたくない?」

とメッセージするが返事も返ってこない。

 

TXTのステージに戻ろうとするが

もうファンだらけでにっちもさっちもいかない。

そもそもこの人混みで

どこに居るかも分からん。

 

諦めて後ろの方で待機する。

 

この日のTXTと同じステージの演者はみんな

TXTのペンライト(?)を振り、

スービンラブみたいなカードを掲げた女児達を相手に

いつもとは違うノリを感じていたことだろう。

 

「ママの縁故主義ボーイ」

「テイラー・スイフト大嫌い」

というメッセージ性の高いTシャツ着てた

Pardyalone

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この歌は

誕生日に浮気した元カノの母親と

性的関係を持った実話を元にしたそうだが

ステージに自分の母親を上げて

感動の謝辞を述べた直後に

演る曲ですかーい…ってなった。

 

メローなトムも

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ヨガのインストラクターみたいな

オルタナ(?)のシルヴァン・エッソも

Kpopなノリの女児の黄色い声援に面食らってた。

と思う。

 

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家族は

「みんなTXT待ち遠しいわよね

私も彼らを観るのが楽しみ」

と言ってたフォークな

マギー・ロジャースが

気に入ったらしい。

 

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TXTが演じる頃には

雨が上がっていて幸いだった。

 

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ステージが始まる前から

カウントダウンが始まって

みんなキャーキャーめちゃくちゃうるさい。

 

ニュージーンズもだが

ステージの背景の映像に

凝るのはKpopの特徴だろうか。

 

今更ながら気がついたが

今回参加したKpopアイドルは

両方とも同じレーベルだ。

 

営業力がエグいのか

ロラ運営のネポティズム縁故主義)が

エグいのか。

 

しかし

上に貼ったYoutubeドキュメンタリー(?)観ても

めちゃくちゃきっちり頑張ってリハーサルしてて

全く興味ない私でも

思ったよりも時間が早く過ぎて

「あれ、こんなにすぐ終わるの?」

って感じだったので

ちゃんと楽しませてくれてる

ってことで流石だなー

と感心した。

 

家族も友達も何も食べず

トイレも行かないで大丈夫だったのだろうか…

と心配だったが

「始めてのTXTコンサート?

じゃあ良い思い出にしなきゃ」

周囲のお姐さん達に

ピザ分けてもらったり

動画撮ってもらったり

色々と手厚く面倒みてもらっていたらしい。

 

連絡先交換してた。

 

見知らぬ女子大生達よ

ありがとう。

 

この日は

走ってホテルに戻って

ロビーのトイレに駆け込んだ。

 

最終日

家族はもう観るべきものは全て観た

って感じでシカゴ観光に友達とでかけた。

 

ので

私だけロラに行った。

 

この夏

韓国や日本にも行ったらしい

Umi

www.youtube.com

とか

 

80年代のExposeとかTLCとかBangles彷彿とさせる

女の子バンド(?)の Michelle

www.youtube.com

とか

 

ハードな Big boss vette

とか

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などを後ろの方からゆるーく鑑賞して

女子パワーに圧倒されて

相変わらずイマイチなシカゴの夜ご飯を家族と食べて

最後にレッチリ観に行った。

 

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ワカモノだらけのロラで一体何故?

ってなったけど

創始者絡みのしがらみだろうか。

 

雨のせいかもしれないが

ラマーやアイリッシュ程の動員は

なかったような気がした。

 

客層が年寄りだからか

途中で帰る人も多かった気がする。

 

なんとなく

レッチリのみんなからも

 

こんなクソなイベント

やってられっか

 

って感じが伝わってきた。

 

のは

私の思い込みだろうか。

 

ワカモノの心を鷲掴みにして

一世を風靡したモノが

凡庸に

カネ儲けの手段に使われる

って哀しいことだ。

 

と思った。

 

家族も友達も

ロラに来てた性自認女性客がみんな

昼間っからおっぱいやおしり丸出しな

夜の出で立ち

(暑かったからか水着の人も沢山居たが…)

だったので

シカゴはクレイジーでコワイ

という印象が

しっかり染み付いてしまったようだ。

 

TXTはサイコーだったけど

暑いし、びしょ濡れになるし

立ちっぱなしで疲れたし

もう音楽フェスは行かなくてイイ。

 

という家族だが

去年は登校拒否しまくってたのに

新学期が始まってから今のところは

ちゃんと毎日遅刻せず学校行ってるので

少しはうつ脱却できてるのかもしれない。

 

この旅行の「効果」が

長く続いてくれることを祈るばかりだ。

*1:ジャパンが世界に誇るうつ病治療、患者を隔離して刺激を取り除きやりたいこともさせないナイカン療法とは真逆のアプローチですね

*2:てっきり日本人が始めたのだと思ったが…音楽も菓子パンも韓国人の方が海外進出が断然上手だ