精神分析のススメ

1970年代のNYCで一世を風靡したヒップな精神分析の啓蒙をめざす狂気専門家のブログです。

【ジョーカー】と 透明な僕ちゃん達

「ジョーカー」観た

という記事をまけもけさんが上げてたのを見かけた

https://www.gw2.biz/entry/2019/10/15/180000

その日…

実は私も「ジョーカー」を観に行く予定だったのです

 

観て帰って来たら

黄金頭さんも書いておられました

http://goldhead.hatenablog.com/entry/2019/10/14/191756

 

メンヘル職人と名乗るくらいやから

ここは書かなアカンやろ

と思ったのでトライしてみます

 

いや、全然「ジョーカー」の感想文ちゃうやろ

という出来あがりだし

ネタバレ嫌な方はそっ閉じして下さい

 

まけもけさんが触発されたという

https://www.konoutsu.com/entry/2019/10/13/080000

この記事を読んで

ぐったりきたり、めちょんこ疲れるのはイヤだなあ…

と怯えながら行ったので

はっきり言って

「なーんだ。そんなもんか」

ってな感じに拍子抜けした

というのが

第一印象です

 

救いようのないお話に

どにょ〜りするなら

ニコール・キッドマンが輪姦される

「ドッグ・ヴィル」


超衝撃作『ドッグヴィル』【1分映画批評】(感想/レビュー)

 

を撮った

ラース・フォン・トリアー監督作品とか

精神疾患のヤバみが垣間みられる

(ワタクシ的にはイチオシな

境界例(いや、統合失調かな…?)の地獄「ブラック・スワン」や


ブラック・スワン

薬物依存の泥沼「レクイエム・フォー・ドリーム

https://www.youtube.com/watch?v=41CuRl-Wae0

統合失調の闇「パイ」

https://www.youtube.com/watch?v=9wHgUpcpLpk

のアーロン・ダロノフスキー監督作品

がオススメ(どんなオススメや…

です

 

はっきり言って

「ジョーカー」には

 精神疾患の真髄とも云える

「現実からの乖離」

が説得力持って描かれてなかった…

(がっかり…

って感じです

 

が…

色んな方が

「刺さった」

という感想を抱いているのを読んで

もしかしたら

私は基本

自分が悲観的な抑うつ系人間なもので

 

マニック(躁)な人達の

自己肥大した現実認識能力の欠如に

「あんたらアホかい」

と徹底的に醒めた目線になってしまうのかも…

と思い当たってしまった 

 

マニックな防衛で

凄惨な現実から「自我」を護る

 

といえば

第二次世界大戦中のイタリアでの

ユダヤ人迫害を描く

ライフ・イズ・ビューティフル

https://www.youtube.com/watch?v=pAYEQP8gx3w

とか

ビヨークとカトリーヌ・ドヌーヴの好演が印象的な

シングル・マザーの女工の悲劇を描いた

ダンサー・イン・ザ・ダーク*1

 

 https://www.youtube.com/watch?v=NQ6HozU5TGo

が思い浮かびますが…

 

絶賛ポジティブな狂気を呈する主人公達に

イラつき過ぎて

素直に感情移入できなかった…*2

 

ものの…

「ジョーカー」は

ホアキン・フェニックス*3

好きすぎで

場違いな音楽がこれでもか

とかぶさるのには

いちいちイラつきましたが

ジョーカーにはイラつかなかったw

 

実は「ジョーカー」

遅刻して最初の15分くらい見逃したので…

ジョーカーの妄想部分がよく分かってなくて

混乱してたってーのもあるかもしれません

 

「ジョーカー」視聴後おまけで*4

精神分析的解釈及び質疑応答

がついており

懇切丁寧な解説で

「あ、なーんだ!アレもアレも妄想だったのか!」

と納得できました

 

ざっくり云うと

理想の父(ロバートデニーロのキャラとバットマンのパパ)という妄想も

母の愛という幻想も失った

ジョーカーは

失意にかられ

父母を殺した(→倫理の破壊)

という

解釈でしたが…

質疑応答では

精神疾患及び医療の描かれ方がヤバイから

偏見を増長したらどーすんねん

とか

暴力と「透明な僕」の関係性は如何に

とか

現代アメリカにおけるアナーキズムの台頭と愉快犯の関連は…

等色んな問題が提起されてました

 

おまけが一番楽しかったw

 

サイコパスの内面に迫る「ジョーカー」

 

「集団に溶け込めず

いつも自分が『オカシイ』

 

誰も自分がそこに居ることを認めてくれない

と感じて不幸だった。

(人を殺すことで)

初めて

自分の存在意義を認めてもらえた。

こんなに大切なことを言っているのに

何故あんたは聞こうともしてくれない」

 

みたいなことを

社会福祉士のおばちゃんに

訴えるも

おばちゃんに

 

「誰もあんたのことなんて

気にもかけちゃくれない

あたしだって職を失うんだ

だれもあたしの事なんて

気にしちゃいないんだよ」

 

みたいにあしらわれてしまうシーンに

 

日本の犯罪史上最小年齢の愉快犯として名だたる

「透明な」神戸の少年

を思い出しました

 

見守られたことのない子供達は

自他を破壊する暴力による

自己肥大感に溺れ

自分の存在意義を確認する

 

ということか…

 

とちょっと神戸の少年が「ジョーカー」観たらどう思うのか

気になってしまいました

 

はてなに居ないかな…

自己顕示欲ガンガンな人だから

匿名でブログなんて

無理ゲーかな

*1:前出のどんより専科ラース・フォン・トリアー監督作品です

邦題をグーグル様にお伺いしたら…

マツコデラックスがオススメしてて…

何故か

ヒィっ!?

ってなったw

*2:ダンサー・イン・ザ・ダーク」には

ダダ泣きさせられましたが

*3:実話を元にした「ドント・ウォーリー」


映画『ドント・ウォーリー』本予告(5/3金公開)

で惚れました

「世界は優しさで溢れている」

ってより

「自分を見失わなければどん底に落ちても幸せになれる」

って言って欲しいが…

アマゾンで配信してると思います

*4:追加料金払ったんで

厳密にはおまけじゃないんですけどね…