精神分析のススメ

1970年代のNYCで一世を風靡したヒップな精神分析の啓蒙をめざす狂気専門家のブログです。

【ゴールデンカムイ】戦争の狂気その3:杉元

ゴールデンカムイが終って…

大団円で「良かった」とは思うものの

ダークな私的には

無理くりハッピーエンドにしたな…

ってなった。

 

ネタばればれなのでそれがイヤなら閉じて下さい。

 

杉元がアシリパと北海道の大自然の中

仲睦まじく暮らす

というクライマックスは

お姫様と王子様が結ばれて「めでたし」な

べた王道ハッピーエンドで

流石は水戸黄門的に「定番」が大好きな日本人だ。

ってなった。

 

個人的に「よかった」のは

無節操で多淫だけど「殺さない」ウケ狙いキャラの白石が

己の目的の為には殺人も厭わない(=サイコパス

「強い父」ウィルクのオルターエゴだった

という意外性と

「常識的」な月島が

どこまでもクレイジーな上司に

怒鳴られ虐げられながら

滅私奉公するどMっぷりと

ロシア人スナイパーの芸術的探求が

後世高評価された事だ。

 

エゲツない「美化」だ

と思ったのは

梅ちゃんが

「花屋(女郎屋)」切り盛りしてるトコロと

アイヌの土地は国立公園になり

大自然の中でカムイは豊かに生き続けている」

ってトコロだった。

 

物語の始まりで

杉元の「戦争の傷」は

母子分離の「傷」(=飢餓)である

と解釈した

 

neofreudian.hatenablog.com

アシリパの)

「父」を救えなかった

息子の傷が露呈する「物語の展開」は

修悦すぎる。

とも思った。

 

獲物を狩って「飢餓」を癒やす事を

愛するモノ(自然に生きるアイヌの少女)から学び

東京で「花屋(売春窟)」を営む梅ちゃん(母)を

「助ける役目」を

果たして自分が「割と好き」になれた杉元だが

鶴見のように

戦いで「脳が欠けた」モノに

愛するモノを守る

自己規制が可能だとは信じ難い。

 

殺戮の高揚と性愛のヨロコビを錯誤し

最後の狼は自分が殺すと息巻く

オンナが恐い「犯罪者」

二瓶のようになってしまうのが「現実的」だ。

 

ゴールデンカムイ

杉元(和人)とアシリパアイヌ)の微笑ましい結末は

新選組の土方が生き延びて無双するくらい

荒唐無稽なファンタジー

という事を踏まえられる

読解力なんてなくてもイイ。

 

二瓶や鶴見の「邪悪」に

「悲哀」は見出しても

漢と取り違えて「理想化」したりしない

「倫理」アル若モノ達が

土方の様に死に場を失い

美しいジャパンを「取り戻そう」とウヨウヨする

亡霊達の憐れな魂を供養できる事を

切に願う。

 

大団円スゴイ!

よくぞ「収まり」つけてくれた!

素晴らしい!

という率直(?)な感想はこちらです

 

neofreudian.hatenablog.com