【ダルちゃん】ヒロセさんが Mな件
久しぶりに、ダルちゃんに心揺さぶられてしまったので、書いてみます。
ダルちゃんの、ヒロセさんとの展開に非常にモヤります。
先日、こんな記事を書きました。
今は昔、女は嫉妬と恨みにかられて般若と化しましたが…
現代女性が鬼嫁と化すのは、
優しくも愚昧な、「No」と言えない(=父性が欠如する)オトコ達
への不満に駆られてのことではないでしょうか。
私にとって、第23話
「ダルちゃん」第23話 | ダルちゃん | 花椿 HANATSUBAKI | 資生堂
は、ダルちゃんに、現代女性の般若化の萌芽を見出すエピソードです。
脆弱で傲慢な自己愛オトコ、スギタさんと一変して、ヒロセさんは、父性(男を男たらしめるモノと言っても良いです)を剥奪された「優しい」オトコです。
父性に欠ける「優しい」オトコ達には、女性の欲望を満たすことも、攻撃衝動を収束することもできません。
オンナを鬼嫁にするオトコ達 でもあります。
以下、ダルちゃん(オンナ)の主張が如何に「理不尽」か、解説してみます。
ダ:「みんなに大丈夫だって言ってたけど、全然大丈夫じゃないですよね」
匕:「…はぁ…すみません」
ここで、
「オレは男や!強がってナンボやねん!」
と胸を張れず、謝ってしまうヒロセさんは、哀しくも、卑屈です。
自分がダルちゃんに、手伝わせた罪悪感故に謝る
というのは、共感力高いワケではなく、単なる自己否定感の現れです。
ダルちゃんは、自分で「手伝う」と決めて行動したのですから。
ヒロセさんが謝るのは(女性の)気持ち的には「正解」でも(男性の)理屈から言うと「理不尽」です。
ダ:「説明…すごく分かりにくいです」
匕:「ハァ…すみませんでした」
ネ:「謝るだけかいな…全くもぅ…」
理屈で返す(男)なら、「どこが分かりませんでしたか?」と、フォローしなければ。
ダ:「誰にでも分かる書き方じゃ全くなくて…不親切だと思いました」
匕:「ハイ…そうでしたか…すみません」
ネ:「それは、『不親切』ではなく『伝達力の欠如』です」
ダ:「んで、分かりにくいから質問しようかと思えばすごく余裕がなさそうで…遠慮しちゃってました」
匕:「ハイ…そうだったんですね」
分からなければ質問する。
「質問しようかと」思うのであれば
「余裕がある時に伺いますので、教えてください」
とコミュニケートできるのが、お互いが自立した関係です。
こんだけ理不尽にダルちゃん(女性)に責められて、
「ハイ、私が悪う御座いました」
なオトコは、はっきり言って
「ママに怒られるのがコワくてとりあえずハイハイやり過ごすけど、何一つとして、聞ーちゃーいねー」子供と一緒です。
だって、理不尽な母親に、自分ではどうしようもないコトで、責められてるのと一緒ですから。
余裕がない時に、余裕なんて
「ハイ、そうですね。」
と、つくれるものでは御座いません。
ダ:「そういう空気感はあまり前面に出さないでおいて…」
匕:「フッ」
ここで、ヒロセさんが笑うのは、スゴく分かります。
あまりにも理不尽ですから。
笑うしかありません。
けれど、彼はこう続けます。
匕:「同情されやすい人生だったもんで、…ちょっとみじめな気分だったんですけど、怒ってるし…良かったです」
このセリフは、微妙です。
「同情されたくない」には、
「弱い自分でいたくない」
という気概を感じます。
しかし
「怒ってるし…良かった」
では、オンナをSな鬼嫁にしてしまう完全なM男君。
弱い自分に逆戻り…というか、自分で自分を貶める、自虐なM君です。
ダルちゃんにしてみれば、初めて自分の声で、
怒りを表現できた場面ですが…
そこで感じた自分の「強さ」を
如何に「優しさ」に昇華できるか。
という所にダルちゃんが
般若化回避できる可能性が
秘められていると思います。
自己否定感の強いヒロセさんとダルちゃんが、
お互い「本当の自分」
【資生堂のダルちゃん】 擬態 と 自己愛の欠如 - 精神分析のススメ
を見つけられるには、
父親的存在も必要だと思うのですが…
第40話ではヒロセさんのダメオトコっぷりが
明らかにされてしまいましたね…
「良いお母さん」との同一化
【資生堂のダルちゃん】好きなモノ 追記 - 精神分析のススメ
だけでダルちゃん(=擬態する日本人女性)
の物語は終わってしまうのでしょうか。
ヒロセさんに愛される幸せを
素直に表現できるダルちゃんは、
男性に「理想」を見出し
「本当の自分」を
見つけられるのでしょうか。