精神分析のススメ

1970年代のNYCで一世を風靡したヒップな精神分析の啓蒙をめざす狂気専門家のブログです。

【性依存症】 カエデさん その2.メンヘラと自慰力の欠如

性依存とメンヘラの関係について

書いてみます。

かなり込み入ります。

精神分析の理論はとかく非科学的で

支離滅裂かもしれません。

が、理解可能な文章を目指して頑張ります。

 

一応、この記事の続きです。

 

neofreudian.hatenablog.com

俗に言うメンヘラとは、境界例の方々のことを

指していると思われます。

 

境界例とは、パーソナリティ障害のうちの 一つです。

「広範かつ柔軟性のない

持続的な内的あるいは行動の様式によって

(ウィキペディア パーソナリティ障害 参照)」

精神的苦痛を味わっている人達のことを、

パーソナリティ障害(Personal Disorder=PD)といいます。

 

一般的な、鬱や不安の症状自体は

「広範」で「継続的」とは看做されないということです。

 

例えば、継続的に

悲観的で希死念慮などに苛まれる鬱でも

切羽詰まって

食べたくない、寝られない、

状態になると

被害妄想や幻覚を伴うことも 

あります

 

これを大うつエピソードと云います

 

放って置いても 

3ヶ月ほどで妄想、幻覚、食欲や、睡眠欲も 

落ち着きを取り戻します。

 

「継続的」ではないとはいえ、

3ヶ月もそんな状態が続いては、

ちょっとどころではなく 

本人も周りも困りますし、

自殺の可能性も継続するので、

お薬や入院が必要です。

 

因みに食べ過ぎ、寝すぎを伴う鬱は 

アティピカル、例外鬱、

と言われております。

例外とはいえ、

数が少ないから例外なのではなく、

定番のセロトニンを脳内に増やす抗鬱剤が効かない(効き難い)から、

ア ティピカル(典型的ではない)なのだそうです。

 

性格障害には、「風変わりで閉じこもりがちな」 A群と、

「感情の混乱が激しく、ストレスに対して脆弱な」 B群、

「不安が強く、周りの評価が気になる」 C群があります

(ウィキ参照) が

境界例は B群に入ります。

 

前置きが大変長くなってしまいました。

が、ここからが本題です。

 

「感情が激しく、ストレスに対して脆弱な」 B群に属する 

メンヘラについての記述を読んで

気が付いたのですが

まとめに(私が見た限りでは)含まれていない 

要素が一つあります。

 

「自慰力の欠如」とでも言いましょうか。

 

自慰といっても、

ここではオナニーのことではなく*1

自分の感情の起伏を喚起したり

落ち着かせる機能、

ひいては行動のことを指します。

 

自慰力欠如した人ってのは、

一回かき乱されると

「簡単には立ち直れない人達」ってことで、

B群の性格障害 

全てに当てはまります。

 

赤ちゃんでも、極端に分けると、

① あやすとすぐ泣き止む簡単なイイ子と、

何しても

「泣き止まんやんかあぁぁ!!どぉしたらええんじゃぁ!」

と叫びたくなってしまう

② 大変な子がいますよね。

 

自慰力は、生まれ持っての素質だけでなく、

成長過程で身に着いてくるもの 

でもあります。が、

あんまり泣き止まない赤ちゃんだと、

あやすはずのお母さんまでテンぱってしまって、

折角落ち着きかけた赤ちゃんを又、

泣かせてしまうという悪循環も起きがちです。

 

孤立や、ストレスで 

余裕のない核家族に生まれた、

カンの虫の強い赤ちゃんは、

自慰力欠如に育ってしまうリスクが高い

といえましょう。

 

すぐに泣き止む子が、必ずしも

自慰力の豊富な子である 

とも言い難いのですが…

泣き止めないということは、

 

一度テンぱってしまうと 

中々立ち直れない素質がある

 

と考えたらよいかもしれません。

 

自慰力に問題のある子供達には、

頭を打ち付けたりする子もいます。

 

頭を打つなどの自傷行為は、

自分に刺激を与える手段、

彼らにとっては、自慰行為であり得る

とも言われますが

それは彼らが、

ある種の刺激に過敏であると同時に、

他の刺激には鈍感でもあるからです。

 

自慰力に欠ける人が自己嫌悪に陥ると 

回復するのがめっちゃ難しい、

故に、

自己評価も低くなりがち、

というワケです。

 

言い換えれば、

メンヘラの自己評価の低さには、

周囲の批判的な評価に対して過敏だ

ということだけでなく、

自慰力の欠如も関与している 

と言えましょう。

 

突然ですが

長くなったし疲れてきたので

性依存症との関連については 

次回に回します。

neofreudian.hatenablog.com

*1:日本語で自慰=オナニーになってしまうって、

スゴイと思う

【性依存症】 カエデさん その 1.「メンヘラは性欲が強い」?!

ブログ初心者なので

他人様の記事について勝手に書く場合

どうしてよいか分かりません。

 

とりあえず、リンクをはってみました。

 

menhera.jp

更には、

自分で診てもいない事例について書くってどうなの?

とも思うのですが、

精神分析学的 精神病理 初心者コース 

とでも思って読んで戴ければ幸いです。

 

ブログの匿名性を良いことに

かなり好き勝手に書きます。

 

この時点で

「何様あ、こいつぅ?」

と激昂される方は

是非ともこちらをお読み下さい。

 

免責事項 自己紹介に換えて - 精神分析のススメ

 

先日、こちらの記事で

メンヘラって? - 精神分析のススメ

「私、メンヘラ」視点の記事は

読んでいて消耗してしまう

と書きましたが 

 

そんなことばかりではない

 

という一例がカエデさんです。

 

性依存の症状、及びその解消に至った経緯を

俯瞰する姿勢

トラウマにも触れながら

そこに執着せず

不自然に希望に満ち満ちず

将来を悲観せず

前向きに進んで行こうとする姿勢

が感じられて、大変好みです。

 

前置きはこれくらいにして本題に入ります。

 

性依存のカエデさん曰く、

 

「よくメンヘラは性欲が強いっていうじゃないですか。」

 

ほへっ…?!

そっ…それは…そう言われてみれば…

確かにそうだけど…

そんな身も蓋もなく…

そんなこと、さくっと言って良いんか?!

 

と衝撃的でした

 

ゆとりさんのメンヘラ特徴項目にも、

「エロい」

とありましたが、大ショックです。

 

英語でも境界例の女性は

「魅力的(Attractive)」で「挑発的(Provocative、Seductive)」

等と描写されることがあります。

 

 

カエデさんのように、性依存症だったり

躁状態で性欲爆走してない限りは

広範な認知や行動のパターンの歪みを呈する

性格障害を「性欲旺盛」と

描写することは

性欲=原罪

という聖書がベストセラーな欧米では

政治的にも倫理的にも無理。

という印象があるからです。

 

因みに…

初めてメンヘラの特徴に「エロい」を見つけて

興奮のあまり

「日本語って端的ですばらしい。」

と大ベテラン女性精神分析家に自慢した所、

「そんな単純な物ではない」

と一蹴されてしまいました。(泣)

 

「エロい」とは、セックスアピールあるとか

性欲旺盛というだけではなく

類語の「エッチ」と同様

女児のスカートめくりをしたり、

ママのおっぱい触る男の子のおフザけや

悪戯心、幼児性欲の表現にも使われ

 

西欧文化の根底

ユダヤキリスト教の原点に

確固としてある 

性欲=原罪

という軛に束縛されない 

ばらしいコンセプトなのです!

 

と熱弁したのですが

海千山千の分析家の貫禄で

「はっはー」

ってな感じでスルーされました(悔泣)。

 

多くは慢性的な性的トラウマを抱える

境界例患者さんが「エロい」って

フロイトの言う性的エネルギー*1

健全に昇華しきれていない状態が 

精神病に具現される 

という理論にもあてはまる 

と思うのですが…

 

因みに、

ベテラン分析家曰く、

境界例の (主に) 女性の「エロ」さは、

単に性欲を充足したい 

という欲求の表れではなく

愛情飢餓による混乱状態故のことで、

彼女達の多くは

深く追求していくと

本当の所でセックスを望み、

愉しんでいるわけではないことが、

往々にしてあるのです。

 

ということでした。

 

確かに、これは

上述のカエデさんの記事を読んでも

ばっちり当てはまりますね

 

(一応)続きはこちらとなっております。

 

neofreudian.hatenablog.com

*1:エロスとか、リビドーとかのことです。

生のエネルギーとも言われています。

が、私的には「欲動=人を突き動かす欲求」という訳語が好みです。

リビドーはヒューモアや、芸術等、創造性の根源でもあります。

因みに感情は「情動」とも言い、

人を突き動かす「欲動」の表象とも言われています。

ので、感情の浮き沈みが激しい

(=リビドーの表象が激しい)躁鬱の人には 

パフォーマーや作家

といった芸術的な人が多い 

とも言われます。

メンヘラって?

引きこもり予備軍と自称するゆとりさんのブログで、メンヘラという言葉に出会ってショックを受けた、一メンヘル専門家、ネオフロイディアンと申します。

 

ネット用語として生まれたメンヘラの歴史は深く長く、2000年くらいからつかわれているらしく、

 

(参照: http://menhera.jp/975)

 

今日のエントリーをするに当たって、メンヘラをキーワードにググってみたら、色々な記事が出てきて(って、当たり前か)ウッキー状態になってしまいました。

 

粘着質で一途な者ですから

メンヘラ診断テスト 1. - 精神分析のススメ

(たかが占い、とか言っておきながら、根に持ってます)

色々な所で色々な人の書いてること読んだら浮気してるみたいな気分でストレス感じてしまいました。

 

というのは、粉飾です。本気にしないで下さい。

 

とは言うものの、メンヘラについて調べてドッと疲れたのは事実です。

 

そこで、興味のあることについてリサーチしているのに何故こんなに疲れたのか、ちょっと書いてみようと思います。

 

メンヘラについてのサイト(記述)には大きく分けて、

「メンヘラ?何それ?私には全っ然関係ないけど、おいしいの?」的な

全く他人事視点から書かれた記事と、

「うちら、メンヘラですねん。こんな苦悩、あんな苦悩、分かち合っちゃいます」的な、

どっぷり「私達、メンヘラ」視点

の2つのタイプが在る様に思われます。

 

例えば

 

先日ネタにした占いサイトや、

 

http://menhera.占い診断.com/

 

男性向けの

「かっこよく、挑戦的であり続けたい現代の男性たちが自分を楽しんで生きる情報と出会う場所」*1

 

https://smartlog.jp/33197

 

での記述。

 

これらのサイトでは主に境界例人格障害を全く他人事として、

「こんなんなったら(こんなんと関わったら)あんさん、大変やでー。」

ってな具合で記述していて…

隠そうとしてもにじみ出る、「見下し感」に満ち満ちているので

「後味 悪っ。」

でした。

 

対して、「私達、メンヘラ」タイプの記述はメンヘラというラベルが自己主張の核にあるので、

「私ってば、こんなに病んでます」

といわんばかりに、読んでいてしんど~い内容が一気に吹き出てます。

 

どちらも、読んで消耗します。

 

なので、ゆとりさんのように、

「自分ももしかしたら、メンヘラ?」

という、

メンヘラな自分に酔い痴れず、かといって拒否したり、見下したりしない

ちょうど良い視点でまとめられた記事に最初に出会えなかったら

こんなに触発されて、色々書いてみようと思えなかったのでは。

と、思います。

 

そこで、粘着質でロイヤル*2な私として、言いたかったことは、

 

ゆとりさん、インスピレーションを有難う御座いました。

 

なのです。

*1:もうこのコンセプトからし

 ? 

何、それ? 

日本語崩壊してませんか…?

あなた達、頭、悪杉? 

ですが…

*2:王族 = royal ではありません。

一途で忠誠心のある= loyal の方です

メンヘラ診断テスト その2.

http://menhera.占い診断.com/

 

昨日、おそるべし、と書いたこのメンヘラ診断テスト。

 

落ち着いて考えてみたら、所詮は占いサイト。もしかしたら、星座の性格プロフィールもじってメンヘラ診断してる?と、思い当たりました。

 

しし座は執念深いってどっかで読んだし。

 

まあ、でも。

 

社会問題にまで発展して、注目されている事例に照らし合せて、星座別の性格診断をもじって、簡単なメンヘラ要注意チェックリスト(自殺願望、依存傾向、けじめのなさ、等)をさくっと作ってしまう所、日本人の感性の鋭さ、実用性重視な性向ががんがん出ていますなぁ、と。やっぱり感心しちゃいます。

 

日本人、って、諸外国では欧米人がひらめきで開発した技術を更に洗練、改良して売りまくる、と思われていますが、これっての精神衛生(メンタルヘルスの直訳ですよね?)に関する専門知識にも如実に現れているなあ、と、ひしひし。

 

それにしても、判断結果の言葉遣いが無礼すぎる。

 

たかが 占いサイトに「キモい」とか言われる筋合い全くないですね。

 

本当にメンヘラな人達が、例えば「キモい」とか、「通りすがりのBさん」とか(自己愛性だったら、もうブッちぎれますね)判断されてしまったら、打撃が大きくて、本気で(ガチで、っていうんですかね。最近の用語では)集団殺人しちゃうかも。

 

裁判好きなアメリカ人だったら、ソッコー告訴ですね。

 

と、いうことで、本日の教訓。

 

たかが占い。されど占い。

 

メンヘラ診断なんかするなら、もうちょっとメンヘラの脆弱な自意識を刺激しない、優しい言葉遣いをしましょうね。占いサイトさん。

メンヘラ診断テスト 1.

日本人は本当に心理テスト好きですよね。占い感覚で楽しむところなんか(苦笑)。

 

http://menhera.占い診断.com/

 

このサイト、ゆとりさんのブログを読んで知ったのですが、たったの10数問とはいえ、このメンヘラ診断テストは結構イケてると思います。

 

私も試して見ましたが「少々メンヘラ気質」で、「恋愛に於いては一途ですが ちょっと間違えればストーカー」だそうです。

 

更には、「粘着質のしつこい執念深い ただのキモい奴。」と締めくくられてしまいました。

 

はっきり言って、ムカつきました。

 

が、昨日も書いたように、ストーカー状態でコメントしてしまうし、当たってる(汗)。

 

しかしまあ、何であんな質問構成で執念深いって、分かったんだろう。

 

たかが占いサイトの10数問とはいえ侮れない。

 

おそるべし。メンヘラ診断テスト。

neofreudian.hatenablog.com

始めまして。

国外在住の一メンヘル専門職の者で御座います。

 

日本から離れて20余年、すっかり浦島太郎になっております。

 

日本の精神医学臨床の現状について全くといって良いほど無関心ですごしてきたのですが、半年ほど前に日本のブログ文化に初めてアクセスして、ショックを受けております。

 

精神衛生が、メンヘラとして流通しているってどおゆうこと?

 

うっかりしたらメルヘンと間違えちゃうじゃあないですか。って感じですねぇ。

 

1年ほど前にちょっとしたきっかけで神戸連続殺傷事件の酒鬼薔薇少年を思い起こし、日本のネットを検索したのを機に、引きこもり予備軍と自称するゆとりさんのブログをフォローするようになりました。

 

真面目なのに、自己表現が苦手で他人になかなか認めてもらえない、素直に自分の魅力を発揮できない、キモオタと自己卑下するゆとりさんの哀愁に、説明しようのない親近感を覚えました。

 

日本に特殊な引きこもりという社会現象的鬱の症状に興味を持っていたのも事実です。

 

最近になって、件のゆとりさんがメンヘラの記事を連続して書かれたのに触発されて、信じられないくらい長いコメントを次から次に書いてしまいました。

 

はっきり言ってストーカー状態の自分がアヤしい人と思われるのではないかとちょっと心配になってしまい。こんなことするくらいなら、自分でブログを書こう、と思い至りました。

 

ゆとりさんへのコメントに手直しをしながら、日本の方へのお手紙をちんたら書いてみようと思います。