精神分析のススメ

1970年代のNYCで一世を風靡したヒップな精神分析の啓蒙をめざす狂気専門家のブログです。

さりげにトラウマ

という話をしてみようと思います。こんな記事を読みました。

 

小学生の時、ケツの穴チェックされてた話

 

インパクトの強い題名の、この記事。

「エロい話じゃないです。」

で始まるのですが、

「特殊な性の目覚め?」

というブコメも付いていて、大変微妙だと思います。

 

この増田さんの記事がエロドロしていないのは、

 

読みたい漫画もお小遣いが増えたら自分で買った。

Rにトイレに呼び出されて、恐怖と羞恥しか感じなかった。

 

という内容から伝わってくるように、

彼女が理性的で(=根本的には母子分離が出来ていて)、

自分の欲しいモノは(どんなに時間がかかっても)自分で手に入れる強さ

Rを心理的拒絶する強さ

があった。という所に尽きると思います。

 

これが、例えば、彼女がRに依存していたら、

自分も尻拭きプレイに加担した共犯者=自分が誘った

等、自他(母子)の分離が出来ない人達に特有の、自分の欲望についての「うしろめたさ」と相まって、性的な興奮が介入する余地が生まれます。

 

幼児期に親に性的虐待を受けて、売春とか幼児ポルノで搾取されて育った人達(男女を問いません)の凄惨さはありませんが、十分トラウマ要素があるお話です。

 

読んで

とても辛い

と感じました。

 

子供の「死ぬほどいやだ」という「気持ちより普通であることを優先」する親が「普通に」居るって、めちゃくちゃ辛いことです。

 

何言ってんだこいつ

って思われそうですが…

 

親は「普通」は、子供のためを思っています。

 

「普通」であせるコトが「良い」ことなので、子供のためを思って「普通」を押し付けます。

 

ところが、子供にしてみれば「死ぬほど嫌。」

 

自分の「いや」という気持ちを、誰にも理解してもらえない=自分でも理解できない

更には

自分には状況を変えられない

という無力感が、トラウマの一端を担います。

 

増田さんを、トイレに連れ込んでケツ拭きプレイをしたRもきっと(親に)お尻チェックをされることが「死ぬほど嫌」だった(けど、きれいにするためには「普通」と受けあってもらえなかった)のでしょう。

 

「いや」な気持ちをリアルタイムで認識したり、表現できないことってままあります。

 

「いや」を表現できないと、ストレスがたまります。

 

心理療法やカウンセリングは、愚痴をこぼす場所になりがちですが、「いや」を安心して吐き出せる場所を提供するという側面もあるからです。

その「いや」や、「ほしい」の感情の根底に流れる幻想(パターン)を見出し、「幸せ」な幻想を追求し、再構築するのが精神分析における分析家の主な役割ですが…

さりげにトラウマな話からずれてしまいますね。

 

親子が、というか、皆がお互いの「いや」が何なのか、じゃあ、どうしたら良いか、をもっとオープンに話しあえたらきっと、尻拭きプレイでモヤりを昇華しようとする子供達もいなくなるのに、と切に感じます。

 

親だって、落ち着いて考えたらとりあえず「普通」に迎合するより、子供が楽しく生き生きしてるほうが大切だって、気付くと思うのですが…そんな余裕もない親御さんが多い世知辛い世の中なのでしょうね。

 

ヘビー級アナルチェック案件、及び、性的虐待については、こちらをどうぞ。

【レペゼン地球のDJ社長】と アラーキー - 精神分析のススメ