精神分析のススメ

しがないメンヘル職人です。70年代のNYCを風靡したヒップな精神分析の啓蒙をめざしております。

【レペゼン地球のDJ社長】と アラーキー

レペゼン地球のDJ社長にちょっとハマってます。

先日の記事を書いた後で、

【レペゼン地球のDJ社長】と ポール・ゴーギャン と ブルーノ・マーズ - 精神分析のススメ

更にもう少し色々な動画を観たのですが、表面的には、明るく、朗らかに行動力もありながら、彼(と、彼を取り巻く若者達)の闇も深そうで、エミネムの様に

およげ!対訳くん: The Monster エミネム (Eminem ft. Rihanna)

www.youtube.com

ベッドの下のモンスターと戦っている。

と、書きました。

 

この記事では、(おそらくは恵まれているとは言えない家庭環境で育ったと思われる)彼の抱えるトラウマをエミネムになぞらえようかとも思ってたのですが、

「俺は神だぜ。クソったれ!」

と、常に怒り炸裂なエミネムに、お笑い系のDJ社長を結びつけても皆ちょっとピンとこないかなー、と思い悩んでいた矢先、この記事

その知識、本当に正しいですか?|KaoRi.|note

に出会ってしまったので、予定変更で、

「ぼくちゃんってば、天才だから…ガハハ」

と幸せな自己肥大感に溢れるアラーキー

荒木経惟インタビュー 77歳でなお勢いを増すアラーキーの生き方 - インタビュー : CINRA.NET

と #Metoo に引っ掛けることにしました。

 

このクリップ(18禁閲覧注意)

 

【笑い過ぎてお腹痛いw】人のア◯ル開発してみたら腹筋崩壊したw『レペゼン地球』 - YouTube

いくら日本語で何言ってるか分からんからって、Youtube の検閲が、もし欧米基準だとしたらリムられて当然でしょう。*1

あんたら、何やってんの?

ってくらい、日本人のお子様達の悪フザケがすぎてましたわ。

 

まあ、日本のお笑い業界自体、こんなノリなので仕方ないのかもしれませんが…

 

はっきり言って、ガッツリ #Metoo 案件だと思います。

 

前記事でも脚注で触れましたが、DJ銀太さんがこんなことを喜んでするのは彼の生育歴に性的虐待があるためと私には感じられます。

 

ということで、性的虐待について、サンドール・フェレンツィという分析家の考えを紹介しながら、掘り下げてみようと思います。

 

フェレンツィは、ユングアドラーと同じく、理論的見解の不一致で袂を分かつ、フロイトの愛弟子の一人です。

 

彼等の考え方の違いは、幼児期の性的トラウマの捉え方にも現れました。

 

フロイトは、当初、

ヒステリー(神経症)は(現実に起こった)性的トラウマに依るものである

という見解を示したものの、世の批判を受け、後に

性的トラウマは子供の幻想に端を発する

というスタンスを取るようになりました。

 

レイプやいたずらのケースで、告発があっても

被害者(子供や女性)の証言は信用できない

と反論されるのと…まあ…

似たようなことが19世紀終わりのヨーロッパでもあった

ということです。

 

そこそこ裕福で、世間体もある良家の子女が、そんなにしょっちゅう性的虐待を受けてるわけがない!

と、世論に叩かれたのと

現代で言うところの境界例患者さん達の認知の歪みにも辟易したであろう

フロイトは、性的トラウマの代わりに、

幼児期の性的幻想が葛藤の根源となり、神経症を形成する

と立場を変えたワケです。

 

実母と乳母に「いたずら」された記憶を有したフェレンツィは「言語の混乱」という論文を発表してフロイトと決別し、翌年、59歳で亡くなります。

Ferenczi, Sandore - 裕’s Object Relational World

https://en.wikipedia.org/wiki/S%C3%A1ndor_Ferenczi

 

フェレンツィは、神経症、性格障害、統合失調等の精神障害*2は、幼児期から継続する慢性的なトラウマによって引き起こされる。

という見解を基に、論を繰り広げました。

 

「慢性的トラウマ」の定義は

 

過剰な刺激

欠乏状態(飢餓)

共感の欠如

 

のいずれかが、常に存在する状態です。

 

いうなれば、自閉症スペクトラムを筆頭とする発達障害の多くの方々の内的経験は、この3か条を満たす。

とも言えましょう。

 

フェレンツィは、この「慢性的トラウマ」の概念を性的虐待にもあてはめました。

 

幼児性的虐待

子供が親に求める愛着欲求を、大人が性欲と誤認して性的な対応をすることで、起こりえます。*3

 

フェレンツィの言う「言語の混乱」は、エディパス期にしばしば見られる、子供が親と結婚する「ごっこ遊び」から始まります。

 

認知が歪んだ親は、子供の無邪気な「ごっこ遊び」を性的な意味合いを持って受け止めます。*4

 

例えば、父親が娘と遊んでいる最中に、娘が父親と

「一緒にお布団で寝よう、ママとパパがするみたいに。」

と提案します。

認知の歪んだ父親は娘の提案を、性的な意味合いを持って受取り、娘の体をイヤラシく触り始めます。ここに、子供にとっては「過剰な刺激」が生まれます。

 

父親は更に、

彼の歪んだ性愛こそ、娘が求めていたモノだ

と子供に信じ込ませます。ここに、「共感の欠如」による「(愛情の)欠乏状態」が生まれます。

 

かくして、性的虐待が感情的放置(ネグレクト)と同等に、境界例や自己愛性という病理の根源となりえるのです。

 

「後輩のアナル開発したら腹筋崩壊」に話を戻しましょう。

 

DJ銀太さんの「ウケさえすれば、アナルを開発されても本望」という態度は、生育過程で性的虐待を受けた子供達が「人肌のぬくもりを得られるなら、性的に搾取されても本望」だと「混乱」するのと同等です。

 

DJ社長の「カネと名声のためには人としての尊厳などかなぐり捨てる」という信仰は、DJふぉいさんが、彼の勧誘に応じた際、パンツを下げてチンを露出した逸話にも反映されています。

 

露出することでウケを狙う

 

自分で選んでやったことと、割り切っているつもりがいつの間にか「イヤ」と断れない状況に自分を追い込んでいる。

 

「大したことない」イヤが、積もり積もって耐え難い重荷となってのしかかってくる。(自分も)相手も、今まで「イヤ」だったことにその場その場で対応できていないので、無神経に、「そんなことで今更イヤと言われても困る」と強硬な反応になる。

直接の対話が不可能になり、#Metoo 案件が出来上がります。*5

 

KaoRiさんの記事から、#Metoo 案件には稀な冷徹さと愛情を感じるのは、彼女が「自分がナニを求めて」アラーキーとの歪な関係性に取り込まれてしまったかを徹底的に分析する姿勢があったからでしょう。

 

彼女の記事が誰を責める口調でもないと感じられるのは「『天才』のお人形さんになることを求めた自分」を受容する覚悟をもって #Metoo に挑んだからでしょう。

 

(少なくとも今の)DJふぉいさんや、銀太さんには、KaoRiさんの様な自分に対する冷徹さが、あるとは思えません。

 

アラーキーもちゃんとKaoRiさんと著作権を折半でもすれば

男気あるぅ~!流石は、天から才能もらいすぎマン!

とも思えるのに、甲斐性もない、ケツの穴の小さい僕ちゃんで、ナサケナイ「天才」で、本当に困ったちゃんです。

 

ま、DJ社長はイェスマンらしいので、気前よく手切れ金をパァ~っと渡して、自分は一文無しから再出発。

 

という、漢な結末(ホリエモンも、ちょっとそんな感じでしたね…)を迎えるのかな、とも思いますが…

 

こーゆーシナリオは、欧米感覚ではガッツリ「自虐」なんですよね…

 

因みに、この画像、DJ社長の自虐ぶりが表れていると思います。

DJ社長 那須川天心にボコられるwwwwwwww - YouTube

こーやって、自分を痛めつけることで、自分を囲む「友達」を悦ばせて彼等の攻撃衝動を鎮静できるのかもしれませんが…

 

お互いの傷の痛みを、仲良くヤッている今のうちに、きっちり言語化して分かち合っておくのが破滅的な結末を避けるには一番の良対処だと、欧米思想に毒された私は思っております。

 

もっとライトなアナル開発ハラスメント案件(なんやねん)についても書いてます。

さりげにトラウマ - 精神分析のススメ

*1:基本的に、私は表現の自由を擁護します。この映像も、欧米基準ではリムられて当然ですが「日本の若者の間でウケている」という状況の方が危機的で、この映像を公開したレペゼン地球に一方的に非があるとは決して考えておりません。端的に言いますと、この様な映像に「イイね」する鬱屈した若者(?)が沢山いる日本社会のあり方が、余程「病的」です。

*2:統合失調症等は、遺伝と環境要素が絡んで発現することが現代では分かっていますが、何卒、1932年の論文なのでご了承。

*3:貧困や、薬物依存が蔓延した環境では、親が子供をカネ儲けのために性的搾取する、という凄惨なケースもありますが…

*4:フェレンツィはこのことを大人の「情愛の言語」と子供の「優しさの言語」の食い違いという描写をしています。

*5:搾取感ガッツリ人でなしサイコパスに引っかかるパターンも有りますが…そんな関係にどっぷりハマるのは、やはり愛憎や、カネと名声への欲望に囚われてしまうからでしょう…