精神分析のススメ

1970年代のNYCで一世を風靡したヒップな精神分析の啓蒙をめざす狂気専門家のブログです。

戦争の狂気その2:911 と ゴールデンカムイ

以下

毎度の事ながら

狂気専門家の妄想です。

 

20年前の9月11日。

 

NYCに住んでた。

とは云えハーレムだったのでダウンタウンも見えないし

テレビもなかったので

ビルが燃えてる映像もほとんど見ず。

 

個人的にキツイ事が既に

イロイロと立て続けに起こった直後だったこともあり

何がどうだったか詳細は覚えてない

「戦争」とは多くの人の

歪んだ現実認識で作り上げられた「幻想」であり

「狂気」だ

という実感が植え付けられた衝撃的な出来事だった。

 

ダークな私は

同僚が

ペンタゴンが攻撃された。戦争だ。」

と血相変えて職場に乱入してきた時も

メリケンはドラマチックだからな…」

くらいにしか思えなかった。

国連が速攻で避難した

と聞いた時も

「お前らどんだけ後ろめたい事してきたんや…」

と思ったし

飛行機4機がハイジャックされた

と聞いた時も

「お前らの空港セキュリティの無能及び杜撰さでは

いつかはそうなるって分かっとったやろ」

としか思えなかった。

 

衝撃的だったのは

ペンシルバニアに「墜落」したユナイテッドの飛行機だ。

 

「墜落した」と聞いた瞬間

そんな誰も住んでないトコロに都合よく落ちるハズがない。

軍が撃墜したに決まってる。

と思った。

 

「普通は」皆そう考える。

と思った。

 

 

こんなエグい事いつどうやって公式発表するのだろう。

と思った。

 

ナイーブだった。

 

乗客が果敢にハイジャック犯に抵抗したという「お話」も

亡くなった人達の家族がそれを信じたい「気持ち」は分かるが

余りにも荒唐無稽で

「普通」なら

誰も信じないだろう。

と思っていた。

 

ところがあっさりと

「皆」がそれが「真実」だ。

と受け入れた。

 

「皆」が「普通」じゃないことが一番衝撃的だった。

 

ゴールデンカムイ」がよく出来た「お話」だ

と思うのは

伝染病で村八分にされ*1

家を焼き故郷を捨てた

「不死身」なのに「ヤクタタズ」な杉元が

愛する人」を「助ける」という約束の為に

殺戮を繰り返すトコロと

第七師団の

鶴見と部下の「結束」が「ウソ」で固められたモノであるトコロだ。

 

鶴見は

私だけが君の事を理解している。

私だけが君の素晴らしさを認めている。

と言葉巧みに「大切なモノを失った」モノ達の絶望につけ込む。

 

227話で鶴見は云う。

人殺しの罪悪感を超越した「強い兵士」を育てるには「愛」が必要だ。

と。

敬愛する上官と戦友の期待を「裏切る罪悪感」は

人殺しの罪悪感を超える。

と。

 

それは

家族を暴力に晒し

「歪んだ愛」を騙るモノの言葉だ。

 

「愛」を騙り

子供の心を殺す親が

人殺しを育てる。

 

ゴールデンカムイ」も「ユナイテッド93*2

本当によく出来た「理想の英雄」の「お話」だと思う。

 

911でもう一つ衝撃的だったのは

一夜にして

私が住んでいたスパニッシュ・ハーレムが変ったことだ。

 

毎晩夜中まで鳴り響いていたサルサ音楽が消えた。

1年くらい戻ってこなかったと思う。

 

ちゃんと覚えてないが。

 

あちこちに翻っていた米国保護領のプエルトリコ

(たまにメキシコやドミニカ共和国キューバのも紛れてたが)旗が

あっという間に消えて

星条旗一択になった。

 

ビン・ラディンアルカイダの名前がニュースで繰り返される前に。

 

愛国心」とは目に見えない「敵」を仮想することで作られる。

 

「何の罪もない人が

邪悪なモノに殺された」

 

という「妄想」こそが

人殺しの「道理」であり

免罪符だ。

 

そしてその「妄想」は

市民(子供達)を護るべきモノ(国=父)が

市民をコラテラル・ダメージと切り捨てる

無能で無責任(でおそらくは強欲で邪悪)なモノであるという

「不都合な現実」を「否定」する

「盲目の愛」で増悪するのだ。

*1:コロナ禍のジャパンもゴールデンカムイの頃と変らない

「同じ」ように敗ける戦争に突き進みそうで恐い

*2:見てないけど「泣いた」とツイってる人が居た。金の亡者なネズミ帝国の虚構に毎回泣かされる私的にはハリウッドの虚構にころっと泣かされる人が沢山居るのも分かる。