精神分析のススメ

1970年代のNYCで一世を風靡したヒップな精神分析の啓蒙をめざす狂気専門家のブログです。

【逢仏殺仏】「強い」ということは…

強い自分って何だ…?私の昔語り。 - 死体を愛する小娘社長の日記

 

上の記事で、ももはなさんにご回答を頂いたので

思うトコロを書いてみます

 

ももはなさんも書かれておられますが、

「強い」定義に「正解」などありません。

 

私の見解は「自分は強い」と感じておられる

ももはなさんに対して

あたかも「本当はそーではない」と主張しているかのような

印象を与えてしまうかもしれませんが

ブログで知り得た「ももはなさん」という仮想人物に

これまた貴方の想像の産物である「私」が

全く身勝手な妄想を繰り広げているだけ。

とでも思ってお読み頂けたら幸いです。

 

とりあえず、使用上のご注意をお読み下さい

neofreudian.hatenablog.com

 

常々感じていたのですが…

醜悪で極悪非道な同業者をやっつける

漢で「強い」ももはなさんのイメージが…

上記の記事で出てくる「パパ」とか

「ネズミ」もとい「オオトカゲ」とか

この記事の

キレるという事を理解した瞬間 - 死体を愛する小娘社長の日記

ノロイ」とか…

 

ウケを狙っている…?

のか、はたまた

恐怖や、忌避感を喚起しようとしている…?

のか…

可愛さをアッピールしているのか…

うーん、微妙すぎで、ドキドキします…

 

ももはなさんが、疑いの余地もなく「自分」を

「正義の味方」

であるかのように描いていたら

私はきっと …

彼女に心動かされることはなく

そっとブラウザを閉じていたことでしょう…

 

猛女ではあるが、女傑ではない

という言葉には…

 

愛する母との同一化に葛藤を抱え

猛毒を吐き「強い」ながらも

自らを快く「傑」とは言い切れない

ももはなさんの不全感が伺えます

 

という印象から、つけたコメントだったのですが…

 

御回答、及び続記事

オオトカゲの女王様は、棺桶の中で昼寝する - 死体を愛する小娘社長の日記

からもその印象は強まるばかりでした。

 

ももはなさんに限らず

人は皆「自分」という存在に

不可避な「欲望」と

それに伴う「破壊性」が故に

葛藤を抱く

というのが精神分析の鉄板で御座います。

 

エディプスコンプレックスの元ネタである

ギリシャ神話でも

ゼウスは父のクロノスを殺し

クロノスは父のウーラノスの性器を切り取って追放した…

クロノス - Wikipedia

という…

まあ…

なんと申しましょうか…

壮絶な父殺しのドラマが

あっちでもこっちでも繰り広げられております

 

新しいモノを生み出し

真の創造性の発露を可能にする為には

「父」という既存の権威を排除しなければならない

 

旧き良きモノを失う恐れから…

「父」は時に「息子」を殺し

殺意に晒されながらも生きながらえた「子」は

「親」を殺し、血みどろの手で

新しい王国を建国します

 

創造という過程には

時に

悲劇的で

暴力的で

壊滅的なダメージを伴います

 

ということで…

 

かの岡本太郎氏のおかげで

最近流行りなのでしょうか…

自由なネコさんも書かれておられますが

臨済禅師は言った。逢仏殺仏(ブッダに会ったらブッダを殺せ)と。+追記 - 自由ネコ

ももはなさんの語られる「逢仏殺仏」には

ギリシャ神話の「親殺し」の「象徴」に通じるモノがあると感じます

 

「逢仏殺仏」は既存のシガラミからの開放を以て

「解脱」を説きますが…

 

ももはなさんの「逢仏殺仏」は

「しかして何の感情も抱かず無字の境地」

で締めくくられています

 

仏を殺しても

父母を殺しても何の感情も抱かない

… 

ももはなさんの「解脱」の比喩は限りなく

凄絶な戦場から生還した兵士の「トラウマ」に近いモノがあるように

私には思われます

 

「安心感」を得るために殺戮の高揚感を繰り返さざるを得ない

自らの「毒」を痛切に把握するももはなさんが

自社の部下たちを養い育てる為に取った選択肢が

「白米と味噌になる」

というのは彼女がたゆまず御自身の葛藤を見据え

克服する努力を続けられた所以の「真実」であり、

「自信に裏付けされた強さ」でもあると感じます

 

私がももはなさんに初めて出会ってダダ泣きした(今読んでも泣ける…ヤバい)この記事で書かれておられるように

however-down.hatenablog.com

 

「汚い」死体を「キレイ」にすることで

醜悪で忌避される「死」をも

美しい追憶の要と成し得る

慈愛あふれる「私の」ももはなさんが

自らの「毒」をも「薬」とし

「女傑」な自分を輝かしく受け入れられている

と(私が)感じられるには

やはり、破壊性を制御し、

悲劇的な壊滅を回避する「可能性」を生み出す

「理想の父」なるモノへの葛藤についても

是非とも語って頂きたい

 

というトコロで…

まあ…

「本当」には知りもしない「ももはなさん」について

勝手に色々決めつけるようなことを書いてしまいましたが

… 

こんなに色々、精神分析の現場では分析家は言いません*1

とだけ付け加えて本日のトコロは終了させて頂きます

*1:取り敢えず、被分析家に徹底的に話して頂きます。

「猛女」について。

「女傑」について。

「パパの生き様」について。

頭目(ファザー)〜!!!」について。

ノロイ」について。

「逢仏殺仏」について。

そして…「生む!」と言った母と、

困惑顔の父について。

何でもかんでも洗いざらい吐露(=自由連想)して頂きます。

そして…

「解釈」は常に被分析家の口から

ポロっと出る時が一番「効き目」がある。

というのが私の印象です。