精神分析のススメ

しがないメンヘル職人です。70年代のNYCで一世を風靡したヒップな精神分析の啓蒙をめざしております。

セリーナ・ウィリアムスのトラウマと大坂なおみ選手への母性愛

USオープンも終わってしまいましたね。

 

ニシコリ選手も頑張っておられましたが。

 

ジョコビッチだろーなーと、思っていたらやっぱりジョコビッチでした。

 

女性は、どーせセリーナが勝ちそうだな…

とタカを括ってリアルタイムでは観てなかったのですが、

スゴイドラマの末、日本人が優勝した!

と聞いて、再放送でみっちり観てしまいました。

 

セリーナ、デカイしコワイし、ワガママ放題

という印象が強くてはっきり言って苦手でした

が…

今回、授賞式での大坂選手へのフォローをみて

お母ちゃんにもなったことやし、ナカナカ情の深いエエ姐ちゃんやんか

と、生暖かい印象に変わりました。

 

こんなPVをニッキー・ミナージュと作っておられます*1

 

 

www.youtube.com

 

表面的には

母親と運動選手の間でアイデンティティが引き裂かれそうになりながらも

オカマ風なおばちゃんの一喝の後

「女王」として君臨する

というツクリになっておりますが…

 

まあ…

 

何と申しましょうか…

 

母親業とキャリアの間で引き裂かれるというよりは

漆黒の暴力性とケバピンクな女性性の間にある

神経症的葛藤を

Yo, I got the money and the power now!

よう!オレたちにゃ、今や、カネとチカラがあるんだぜ!

という…

植民地奴隷支配から逃れる為には

白人からの経済的自立を目指すしかなかったアメリカ黒人独特の

カネの力で全てを解決!

という躁防衛(マニック)全開で力技ガンガン攻めてる印象です。

 

正直言って

そんなんアリかぁ?

となります…

 

今回のUSオープンでのドラマの焦点になった、

黒人、及び女性差別へのわだかまりを象徴したPVのようにも思われ

 …

セリーナが自分の中にわだかまる

黒(破壊性)とピンク(女性性)を統合する為に

真のチカラと豊かさを得て「母」=「女王」の座に君臨できるのか…

興味深いトコロです

 

日米の報道の差について、女性差別、人種差別の文脈についてはこの方が上手にまとめておられます

mariyoshihara.blogspot.com

 

が、当ブログは、精神分析のススメで御座います。

トラウマの観点から、感じた事を書いてみようと思います。

 

上記の記事でも触れられていますが、セリーナ、

本当にあんた、女性か?

というくらいパワーに満ち溢れ、圧倒的な「強さ」を誇るワリには

セリーナには、スポーツウーマンとしての規律がない

という徹底的な弱点を持ち合わせる為

才能は莫大ながらもメジャータイトルは思ったほど獲得できてない

という印象です

とはいえ、ウィリアムス姉妹への差別的扱いとしか思えないような

理不尽なラインコールが幾度となく繰り返され

過去、何回も勝利を逃しており、

可愛そう…

とも感じます。*2

 

自由の国と詠っておきながら、

人種差別が横行するアメリカでは、

黒人がちょっとでも暴力的な態度を取ると

他人種に比べて理不尽に厳しい罰則を課されます。

そのことは黒人(特に男性)の検挙率

及び警察から理不尽な暴力を受ける可能性が

異様に高いことからも明白です。

 

セリーナが「不公平だ。謝れ」と執拗に審判に迫り、

結果的にゲーム剥奪されることで

更なる「不公平」を自らに課した姿には

黒人としてアメリカに生まれ、育った彼女のトラウマの追体験

を感じます。

 

試合中セリーナは

「私は不正などしていない。コーチングも受けていない。」

と主張していました。

が、試合後のインタビューでコーチ自身がコーチング疑惑を認めた途端に

「皆がやっていることなのに何故私だけ…」

とばかりに、恥ずかしげもなく言うことが大逆転する辺りは…

おいおい…それは、ちょっと…

となりますが…

それにしても

コーチングも審判に対する暴言も(白人)男性はやりたい放題やっても罰則を免れるのに何故私だけが…*3

と怒りに駆られるのは、分かります。

 

アメリカでは規則の適用が役人によって異なるどころか、

彼等の虫の居所に左右されるのは当たり前

というルーズさなので

そりゃ、まあ、コトあるごとに

人種差別だ!性差別だ!不公平だ!

と言いたくなる気持ちも分かります。

 

只、セリーナが感情のコントロールを失い、

自分を「更なる不公平」に追い込む瞬間が

勝利を決める大事な局面で度々発生するのには、

アメリカ黒人女性であるセリーナの

迫害のトラウマの反復衝動

が働いているように

私には思われてなりません。

 

大衆をまとめ上げるカリスマ性をもちながら

凶弾に倒れ、体制に打ち勝てなかった

アメリカ黒人の悲劇のヒーローである

キング牧師が社会的不正と果敢に戦って負けてしまったという

トラウマとも重なるのではないでしょうか。

 

今までのセリーナには、常にどこかで

システムの不正の為、相手に勝てなかった

という気持ちがあり、

自分の情弱さを受け入れられない

という印象がありましたが

今回の大坂選手への賛辞にはそういった被害者意識が

あまり感じられませんでした。

 

そりゃ、20歳という若さで

あれだけの精神力と、身体的能力と緻密な戦略を見せつけた大坂選手が

涙ポロポロ流しながら

 

こんな終わりを迎えるなんて残念です

セリーナ大好き

憧れのあなたと闘うのが私の子供の頃からの夢でした

 

なんて言ったら、(セリーナがメジャーデヴューしたのが1999年、大坂選手が1歳半の時だそうです…ひぇーやっぱセリーナ、バケモノ)

子供もできたばかりのセリーナの母性本能が刺激されて

こいつ、かわいーやっちゃなー

と、メロメロになるのも分かる。

 

あとは、セリーナ、切磋琢磨してキレることがなくなれば*4

真のロールモデル(模範的スター)になれると思うので

ベッドの下のモンスターと頑張って戦って下さい*5

と切に感じます。

 

セリーナの性格障害オーラについて掘り下げようと思ったのですが

納得がいかなかったので

リベンジしてみました

【セリーナ】の甘え と 【自己愛】の闇 - 精神分析のススメ

*1:PVじゃなくて、ヘッドホンの宣伝です

*2:最近では2009年のUSオープンでのフットフォルトがあります。

セリーナだけではなくヴィーナスも第一ラウンドで7回反則になってます

*3:黒人男性の米ブレイク選手が自分はもっとヒドイ暴言を吐いても警告だけで済んだとツイートし、セリーナに同意を示したそうです…

*4:マッケンローとか、ナスターシとか、

キレまくってもエンタメ要素高いってことで赦されてた感じがして…

テニス選手、強けりゃ何でも許されるんかいな

スポーツマンシップは何処?

という印象でしたが…

*5:エミネムのモンスターに因んで…

【エミネム】やっぱり痛々しい River - 精神分析のススメ