【マザー!】観ました…
しばらく前になりますが
【マザー!】みたことも無い映画のススメ - 精神分析のススメ
観てもいない映画をオススメしてみました
(無責任…)。
今更ですが…
観ました。
ので、感想を書いてみます。
見どころは何と言っても
詩人(神様)のハビエル・バルデムや
監督の恋人だった母(なる大地)役のジェニファー・ローレンス
そして(アダムとイブの)
迫真の演技だったと思います。
映像も象徴満載で大変興味深いです…
が…全体的には
「んー…微妙…」
でしたね
ダロノフスキー監督と言えば
統合失調症の「パイ」
薬物依存の「レクイエム・フォー・ドリーム」
強迫観念→統合失調?な「ブラック・スワン」
からの流れで
「元々ちょっとアブない人が
徐々に精神のバランスを失う過程を
緻密に耽美に描く」
のかと期待していたら
あれ?
ってちょっと拍子抜けました…
「マザー!」は私が期待していた
自己愛性人格障害の描写というよりは
聖書を下敷きにした寓話色が濃くて
…
お話の意図を理解したり
楽しもうとすると
聖書を「読解」しようとするくらい
頭がウニになります
寓話的な作品というと
セルゲイ・パラジャーノフ - Wikipediaの「ざくろの色」とか
ヴェラ・ヒティロヴァのひなぎく (映画) - Wikipedia
等はお話ワケわかめでも
映像が私の好みにハマるので
是非とも映画館で観たい!
となるのですが…
「マザー!」は…まあ…
こだわって作ったのはスゴく伝わってきて
好きな人は好き
…
かな?くらいで、
映像美を堪能するために
2000+円払ってまで劇場で観たい!
って感じではなかったので、
日本では劇場公開しなかったのも
まあ…分かる
聖書と、西欧思想にがっつり食い込む「原罪」
に親しみのない日本人としては
絶賛、理解不可能
になるに違いない
と思いました
聖書に馴染みある欧米人にも
キツイ内容ですからね…
ざっくり言うと
全知全能の神は
アダムとイブがエデンの園を追われた様に
人間が罪を犯すことを
止もしないし
寧ろ容認するくせにキビシク罰する
ワケ分からんヤツ
という聖書の解釈を
…
環境汚染、資源の枯渇、血みどろの紛争に
罪悪感を抱きながらも
地球という生活圏を追われるべく
目の前の快楽、欲望に抗えない
現代人の姿に
重ね合わせている
ということで
…
そんなウザい(=見たくもない)「真実」を
カネ払ってまで誰も観たくはないだろうなー
というのが、私の率直な感想です
それにしても
しつこく言いますが
アロノフスキー監督「狂気」を描くのが
めちゃ上手いと思います。
「マザー!」と一緒に
「ブラック・スワン」も借りて観たのですが
へと「悪化」する過程の描写が
「ピアニスト」とか、「ビューティフルマインド」より
(私にとっては)断然、説得力ありましたねー。