精神分析のススメ

海外在住メンヘル専門家。ヒップな精神分析をめざしております。

みたことも無い映画のススメ

先日も書いた、エミネム

狂気 と 自己表現としての芸術 エミネム A.k.a スリムシェイディ - 精神分析のススメ

については、書きたいと思うことが沢山あったので、エディプスコンプレックスに引っ掛けて書こうとしたのですが、無理でした。

 

父親不在、暴力、性的虐待、と、どんどんとりとめがなくなってしまって。

 

頑張って、精神分析の論理を説明しようと思うと、ダメな私なのです。

書きたいことが整理できなくなって、自分でも

「何じゃ?こりゃ?」

な出来になっていく。ぐがー。

 

なので、先日読んだニューヨークタイムスの映画評論 

Making ‘Mother!,’ the Year’s Most Divisive Film - The New York Times

 について書いてみます。日本ではまだ封切りされていないばかりか、自分でも観ていません。が、興味が赴いてしまったので。

 

この記事 (諸事情により、只今非公開になっております)

neofreudian.hatenablog.com

の最後でさくっと紹介したダーレン・アロノフスキー監督の新作です。

 

封切り先行公開した、映画祭でのあんまりにも酷い評価と無理解に、監督の彼女でもあり、主演女優のジェニファー・ローレンスさんが、ネタバレ覚悟で映画の寓話的意味を明かします。という趣旨の記事でした。

 

以下、ニューヨークタイムスによると…

 

推定400億円(くらいか?3億ドルって。)の予算を費やした、パラマウント大博打。封切り1週間の興行収益はイマイチで、「大嫌い!」から、「素晴らしい!」と、評価が分かれる、2017年、一番ホットな会話の種になる映画、と評される心理サスペンスなのに、何故かワーナーブラザーズのホラー映画と比較されている…

 

表面的には、田舎の旧いお屋敷に住むカップルのお話。旦那は一発ヒット作を出したものの、スランプに陥る詩人。妻は、家の改修に余念がない。

 

彼等の平穏な生活は、ひっきりなしに訪れ、しかも去ろうとしない客人達によって乱される。というあらすじなのですが…

 

記者会見に遅刻して、主演女優に、

「ダーク・ロード(暗黒の主)に電話して」

と、スマホで呼び出されたアロノフスキー監督曰く、

「寓話的イメージに取り付かれ、自分には珍しく、速いペースで熱にうかされたように、5日間で書き上げた」

脚本で、自分の彼女を主役に抜擢。ワキも、ベテラン俳優で固めてあります(3億ドルはそれでかな?それとも、この記事に書いてあるように 

Darren Aronofsky on Shooting mother! on 16mm Film | Collider

こだわって16mmで撮影したは良いが、誰も編集できなくってクソ大変だったからかな?)。

 

ポスターは、こんな感じです。

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ぶっちゃけてしまうと、聖書のお話。だそうです。キリスト教信仰の欧米人にとっては、とてもキワドイです。

 

旦那が神様で、妻が母なる大地。ウザイ客人達は、神様の恩恵を授かりたい不躾な人間。家は地球。物語は人間による環境汚染、気候変化について、という感じです。

比喩に満ち満ちたイメージと音が、これでもか、これでもか、と出てくるそうです。

 

観たいけど、観るのが怖い…

 

きっと、グロテスクで暴力的なシーン満載でしょうから。妻が集団レイプとかされて、内臓とか引き出されたりするの、見るのはちょっと…(本当にそんなシーンあるかどうかは知りませんが、石油資源の枯渇とか、どう映像化するんだろう、と想像したら…)

 

しかも、自分の彼女にそんな役柄振るって、どんなSなの?(だから、ダークロードって愛称で呼ばれているんでしょうけど)

 

因みに、私がアロノフスキー監督に惹かれたきっかけとなった、レクイエム・フォー・ドリームは、(10年以上前に観たのでうろ覚えなのですが)じわじわ怖くて、えげつないけど、映像的にとっても私好みでした。ジェニファー・コネリーが助演女優で、イイ感じに郷愁感が漂っていて、絶望的で。

 

薬物依存の人達の、「求めて止まない何か」が、手の届かない母親的なイメージ(モノ)であること、ソレを追い求める有様が破壊的な現実逃避でしかないこと、が確立したスタイルでとってもオシャレな映像になっていた(なんちゅう日本語や...)、という印象です。

 

パイという、同アロノフスキー監督の映画も、同じくらい昔に観たのですが、一昔前の分裂病、今の用語では統合失調患者の内的経験が、やはり、スタイリスティックに描かれていたように思います。

 

どちらも、元々、

「アレ?ちょっとヤバイ?」

って感じの人達が、徐々にキチガイ全開、現実から逸脱するに至るまでの経過が淡々と(?)描かれたコワーい出来上がりだったと思います。

 

今回の Mother! は、批評を読んでいると、自己愛性パーソナリティ障害がテーマかな?という感じです。

 

神が、自分のファンである人間の欲を肥大化させ、母なる大地を蹂躙させることも厭わない自己愛性PDって、確かに成る程―、欧米人激オコでも仕方ないかな、って設定かもしれませんね。

 

観ていないので勝手な憶測です。観て面白かったら、再更新しますね(誰も興味ないかもしれませんが…)。