精神分析のススメ

1970年代のNYCで一世を風靡したヒップな精神分析の啓蒙をめざす狂気専門家のブログです。

性欲オンリーなチャラ男には理性がない?

先日、こんな記事をみつけました。

 

 http://otokatsu.jp/love/cheat-reason-psychology/

 

笑わせていただきました。大変面白かったのですが、ちょっと引っかかることがあったので、書いてみます。

 

この桜庭さんという方、ヒトデさんの「何故浮気をするの?」という質問に、気持ちの良いくらい、一貫して、「ヤリたいから。」というお答えをなさっておられます。

 

「でも、そんなことしてたら皆を不幸にするのに」という主旨のヒトデさんつっこみには、「バレなきゃ誰も傷つかない。」「その時はその時。」と返答。

 

ヒトデさんは、「チャラ男はくず。ひっかからないようにしましょう。」と締めておられます。

 

至極、御尤もで御座います。

 

が、彼にはどういう訳か女性がガンガン寄って来る。それは何故?

という問題に今日は取り組んでみたいと思います。

 

この桜庭さん、自覚があるかどうかは別として、かーなーり、女性を憎んでおられます。

 

と言ってしまうと、身もふたもないので、女性に対して非常に両義的立場(求めて止まないけれど、恨み、憎んでる)におられます。とでも言っておきましょう。

 

彼が女性に求めて止まないモノは何か、と申しますと、体の関係「のみ」だと言えるでしょう。しかし、それを事前に明らかにしないで女性を誑かす彼には、もう一つの動機があります。

 

女性を拒絶すること。

女性に求められた上で拒絶できる立場に常に自分を置いておくこと。

 

だから、女性に求められる努力を精一杯にする。

 

脱がせて「騙された!」と、キレそうになっても、コトに及ぶ。

デリケートゾーンが臭くても、舐めようとする。(舐めるのは諦められたそうですが)息を止めてまでコトを達成なされる。

そこには、並大抵ではない御覚悟を感じられます。(いや、膣さえあれば、そんなの余裕!なのかもしれませんが)

 

自分がそこまで頑張って相手を悦ばせているのだから、女性が性行為に同意するのは当然。自分にとってヨクなければ一夜限りで切っても(相手を悦ばせたのだから)罪悪感なんて沸きません。

 

桜庭さんの様な方は、女性に限らず、とりあえずその場かぎりでも、他人をヨロコバせるのが得意です。というか、それだけしか考えられないし、できません。

「こんなに無責任にその場限りのことをしていては、他人が傷つく」という「近い将来」など、自分では全く意識していないこともままあります。

 

その為、浮気がバレたら大変、とか考えない、という「先のことは考えない」思考パターンが、異性に限らず、人間関係全般、行動一般に及ぶ方が多いです。

損得を勘定するのに長けており、自分の「得」になると判断した相手には無責任に都合の良い事を言い続け、それなりの信頼を得ることもできますが、状況が変われば平気で陥れたりもします。

 

長期間、真剣に付き合うと、天真爛漫な裏切りのオンパレードですが、その場限りのお付き合いですますには、それなりの気遣いをしてくれるし、一緒にいるのが楽しい、大変魅力的な人物でもありましょう。

 

理性が性欲に敗北している訳では決してありません。

彼等は(無意識的に、かもしれませんが)常に裏切りを予期し、裏切られる前に裏切る、使われる前に使う、をモットーに生きています。

 

こんな桜庭さんに、誰がした?

 

幼児期に信頼できる、頼れる大人が周囲にいなかった。ということだと思います。

 

大人を信頼できない子供はマシュマロをちょっと頑張って、今なら1個、もうちょっと頑張って、明日なら2個上げる、と言われると、迷わず、今、1個もらって帰ってしまいます。

 

明日、本当に2個貰えるという信頼感がないのに頑張るなんて、馬鹿のやることだ、という、潜在意識が、がっつりあるはずです。

 

父親が浮気をしていたのかもしれません。母親が自分勝手な愛情を注いだのかもしれません。

 

長期間に渡って、お互いを思いやる関係性など、想像もできないはずです。

 

只、こういうことを申し上げますと必ず、自分だって毒親や、壊れた家庭で育ったけど、まっとうに生きている、という反論をされる方がおられます。

 

確かに、過酷な生育歴にも関わらず、健全な生活を営んでおられる方も大勢おられます。

 

そのような方には、過酷な現実にも関わらず、明日2個貰えるマシュマロを信じる想像力があったからこそ、頑張れたのではないか、と申し上げるしか御座いません。

 

そのような逞しい想像力を有する方々には、是非とも、今、目の前にある、マシュマロに縋るしかない方々の、絶望的な気持ちを想像して頂けたら、と切に願います。

 

私にとって、桜庭さんは、性欲に勝てないコワイ男、ではありません。

 

刹那的に皆をヨロコバセることでしか、生存価値を見出せない、明日のマシュマロを信じられない切羽詰った人です。

 

こういう男に引っかからないためには、「今が楽しければ良い」「騙されたい」自分をきっちり見据えることが最も必要だと思います。

 

それにしても、ヒトデさん、

「皆さんはこういう悪い男に引っかからないようにしてください」

と、良識的に締め括っておられますが、育乳マッサージとか、デリケートゾーン石鹸のリンクがこのタイミングで入ってくると、チャラ男にディスられない為にも女性の皆さん、精進しましょうね、っていう裏メッセージなのかと勘ぐってしまいまう、疑心暗鬼な私です。