続 ED: 去勢 と 回帰願望

去勢とか、割礼とか、もうその言葉聞くだけで「痛っ。」って感じなので、リサーチしたことなかったのですが、EDについて書いた後に、こんな記事を見つけて、触発されてしまいました。

www.machikado-creative.jp

 

不勉強なので、5歳さんお勧めの「中国王朝最後の皇帝に仕えた宦官の話、浅田次郎の『蒼穹の昴』という小説」是非読んでみようと思います。図書館にリクエストしよーっと。

 

フロイト自身、男児の死の恐怖を「去勢不安」、と名付けたのだし、直接「去勢」に関する幻想(ファンタシー)が色々あっても良さそうなのに、あんまり聞いたことないのは(不勉強なだけ?)摩訶不可思議です。

 

フロイトの居たウィーンでは当時、マスターべションはおろか、ちんをもじょもじょ触ってるだけでも、男の子は、「そんなことしてたらおちんちん腐っておっこってしまうんでっ」とか、「ちょん切ってしまうんで」って感じで(主に乳母の女性に)怒られたそうです。

 

子供騙しの脅しとはいえ、何とオソロシい。

 

更には、フロイトが診ていた由緒正しいユダヤ人の御子息方は、割礼(ちんの先っちょをちょン切ってしまうという、想像するだに膝がガクガクになってしまう恐ろしい宗教儀式) を物心つかない1歳前とはいえ、通過しておられたので、さぞかしビビッドな幻想を描けたことでしょう。

 

可哀相に当時の男子はマスターべションする度に「ちんちん無くなったらどうしよぉぉぉ」って慄いていた、と言うことです。

 

しかし、そんな脅し文句は心身の健全な発育を妨げることになるというので、きっとそういう言葉は、教育熱心なブルジョワの間ではあっと言う間に使われなくなったのでしょう。(特にクライン以降)精神分析の有名どころの事例で、「去勢不安」という言葉が出てくると、大体、身体が壊れる、死んでしまう、という、ちんちんに限らず、身体全般広範囲を対象とした不安を意味するようになりました(って、めっちゃ推測入った私的歴史解釈。ホンマカ)。

 

ところが、日常会話で(って一体どういう日常会話なんでしょう)カストレーション、「去勢」というと、圧倒的に女性が男性よりも優位な事を誇示して、蔑んだり、軽んじたりすることで、男性の威厳をそこなう、という文脈で使われている気がします。

 

印象深い用例といえば、30代の不安神経症の男性の方による、母親と父親のやり取りの描写です。感謝祭の晩餐で出される丸ごとの七面鳥は、通常、家長の父親が切り分ける習慣だそうです。が、彼の家では毎年の如く、父親が切り分けようとすると、母親が電動ナイフを持ち出してきて「あんたみたいにちんたら切っとったら明日になっても誰も、肉、食べられへんわっ」という罵詈雑言と共に、ブィーンと、スイッチオンされて、最後は結局母親が切り分けておられた、ということでした。

 

彼は、母親を「去勢」する女、父親を「男性性を剥奪された」男、と言っておられました。

 

当然、長男の彼は父親と同一化することに強烈な抵抗を抱きつつも、母親から「男性性を剥奪された」感を拭えないまま大人になってしまいました。

 

異文化比較論になってしまいますが、アメリカの嫉妬深い彼女達もかなり強烈です。5歳さんが書かれておられる様に、他の女性が視界に入っただけでも嫉妬されるので、テレビもおちおち見ていられないことも。というふうに、息苦しくなると、さっさと手を切って、他の女に手を出す不義理な、アメリカ人男性。

 

5歳さんの様に、ちんを切るという「服従と忠誠の誓いと覚悟の象徴」をもって、妻の信頼を回復したい、という斬新な発想はえげつない下ネタ満載なスタンダップコメディの冗談にも中々出てきません。

 

勝手ですが、5歳さんのチン切って、「一生の服従と忠誠を誓う」なんていうのは、女皇帝様に憧れるMな日本男児の幻想、というよりは、母子一体感への回帰願望の現われではないかと勘ぐってしまいます。

 

可愛い奥様の嫉妬心を宥めるのには、母子一体感回帰幻想に浸って、「ママ僕良い子だよ。喜んで。」と、訴えるのではなく、大人の男として、「オンナ」を満足させることが必要なのではないでしょうか。ちんが無くて如何に、女を満足させられましょうか?男がシャンとしていないから、女も「規制心」を失って、「モトカノ殺す」とか物騒なことを言い出すに決まってます。(「そんなんちゃう、ちゃう、あんた何も分かってないなあ」、というのであれば、是非とも反論を聞きたいものです。)

 

「破壊衝動」を上手く「規制」した上での「革新」や、「創造性」といった機能こそが、自己実現を果たした、あるべき姿の「父性」であり、「男性」像でもあります。可愛い男の子が二人もいらっしゃるのに、5歳さんがちんをちょん切って「お母さん」に「服従」してしまっては、母親が2人になってしまい、彼らは同一化すべき「強い」「格好良い」父親を失ってしまいます。

 

更に、中国について言えば、(本読んでもいないし、史実全く無知で、思いっきり勝手なこと言いますが)チンを切ってまで「一生の服従」を誓った宦官がざらざら居ても、「男」たる物が孕む新しい可能性を犠牲にしては、如何に4000年の歴史があろうと、没滅を防ぐことが出来なかったのも当然至極でしょう。

 

日本の男性諸氏に、もう一回。言わせて貰います。

 

ちんをくれぐれも大切になさって下さい。ちょん切ってしまわれては(只でさえ「父性欠如」とか言ってるんだから)日本の明るい未来の為にも、大変困ります。